退任のご挨拶(佐藤れえ子 先生)
会員の皆様、いつも日本獣医腎泌尿器学会の活動にご協力を戴きまして、ありがとうございます。このたび 8 年間務めました会長を退き、新会長の星 史雄先生に交代いたしましたので、一言ご挨拶申し上げます。
この日本獣医腎泌尿器学会が研究会から学会へと改組されましたのは 2008 年、平成 20 年でした。初代会長に大橋文人先生を迎えて、学会としての体制を整えて参りました。その後を引き継ぐ形で私が会長になりましたのは 2016 年(平成 28 年)であります。今日まで約 8 年間にわたり会長を務めさせて戴きましたが、これもひとえに副会長や理事の皆様、そして多くの会員の皆様に支えられて果たせたことと認識しております。この場をお借りして、御礼申し上げます。なかでも副会長の桑原先生、大石先生、星先生、秋吉先生には大変お世話になりました。学会活動の様々な場面で、いつも大きな力を貸して戴きました。ありがとうございました。
会長就任当時を振り返りますと、臨床獣医学の他の学会も、それぞれ学会として変革の時期を迎えておりまして、そのような流れの中で獣医腎泌尿器学会として私達が取り組んだのは、生涯教育の充実は勿論ですが、腎泌尿器病学の新しい情報交換の場の提供を念頭に新たなプログラム作りです。その中身は、認定医制度の構築やガイドライン作成、獣医腎泌尿器病学の編纂、人医界との学術交流などです。ガイドラインについては道半ばで翻訳版の提供にとどまっていますが、それぞれの活動は少しずつ実を結んで参りました。
8 月に実施されました第 15 回学術集会では、大会長の小林沙織先生の指揮の下に、これまでの取り組みの成果が示されております。そして今年は初めて、164 名の認定医が誕生しました。この認定医制度が始まって最初の認定医の方々です。また、引き続き上級認定医を目指す会員も多くおられて、今学会での一般発表演題数も増えております。加えて今学会では人医界との交流として、日本腎臓学会との合同企画・基礎研究フォーラムも行われました。これからも医学と獣医学の学術交流が活発化し、日常の臨床活動の向上に繋がることを願っております。
今後取り組まなければならない問題としては、臨床開業医のための臨床研究の生命倫理ガイドライン作成があります。現在、多くの臨床研究や治験が行われておりますが、これらの臨床研究については生命倫理に基づく審査の必要性が以前から求められております。大学や研究所に所属しない臨床開業者のためのガイドラインが必要になっています。その作成に当たっては、臨床分野の学術団体が協力し合って受け皿になる必要があり、本学会もその一つとして会員のためのガイドライン作りが必要になってくると思われます。今後の獣医腎泌尿器学会の活動は、新会長である星 史雄先生のもとに、役員一同、会員の皆様との対話を深めながら、会員のための学会活動が展開されるものと思われますので期待しております。
皆様には、獣医腎泌尿器学の発展に向けて、これからも活発な学会活動をして戴けますようお願いいたします。そして、会員ファーストの学会作りが展開されますことを願っております。大変長い間、ご支援戴きまして誠にありがとうございました。心より御礼申し上げて、私の退任挨拶とさせて戴きます。
令和 5 年 8 月 佐藤れえ子